二都物語という小説の名前は聞いたことがあるひとが多いだろう。小学生でも知っているかもしれない。私の小学校の図書館には小学生向け挿絵入りの< 二都物語>があったような記憶がある。これまで世界中で2億冊売れたというので、読んだ人もいるだろう。だが日本語訳で細かいところまで納得して読み切った人はそれほど多くはないのではないか。
私は若いころに(そうとう昔)原文(A Tale of Two Cities)に挑戦してみたが、歯が立たずはじめの一章でギブアップ。多少英語力がついてから再挑戦してみたが、辞書を引き引き初めの五章ぐらいまで行ったが、内容の理解はおそまつなもので、おもしろくないから再びギブアップ。7-8年前にネットの日本語訳(青空文庫、佐々木直次郎訳、無償)を参照にしながら再々挑戦してみたが、これは上巻(中、下巻はない)だけなこともあって再々ギブアップ。このあと下記の文庫本を買ったが、本棚に置いてあるだけになっていた。
<青空文庫、佐々木直次郎訳>上巻だけだが相当詳しい注、解説がありおおいに参考になる。
二都物語 (新潮文庫) Paperback Bunko – May 28, 2014
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(A Tale of Two Cities)二都物語はむずかしいのだ。
<五年後>には
本人はしきりに<正直な商売人>というが、彼の仕事はとても<商売>と呼べるようなものではなかった。道具といえば、背もたれが取れた木の椅子の脚を切りつめた足台一つきり。それを息子のジェリーが毎朝持って父親の横を歩き、銀行のテンプル門にいちばん近い窓の下に置く。奇妙な仕事の男の足元を寒さと湿気から守るために、どれでも通りがかり車から落ちた藁(わら)をひとつかみ取ってそこに加えると、その日の仕事場のできあがりだ。
というくだりがある。
It could scarcely be called a trade, in spite of his favourite description
of himself as “a honest tradesman.” His stock consisted of a wooden stool,
made out of a broken-backed chair cut down, which stool, young Jerry,
walking at his father’s side, carried every morning to beneath the
banking-house window that was nearest Temple Bar: where, with the addition
of the first handful of straw that could be gleaned from any passing
vehicle to keep the cold and wet from the odd-job-man’s feet, it formed
the encampment for the day.
で<背もたれが取れた>も<脚を切りつめた>もない。また<奇妙な仕事の男>は父親のことで、<この奇妙な仕事の男>としないと他人にもとれる。また< odd-job>は奇妙な仕事ではなく慣用語で定職のない雑多な仕事。青空文庫では
青空文庫 では
“No, Jerry, no!” said the messenger, harping on one theme as he rode. “It
wouldn’t do for you, Jerry. Jerry, you honest tradesman, it wouldn’t suit
your line of business! Recalled—! Bust me if I don’t think
he’d been a drinking!”
bust は動詞で
1. verb, informal To smash or break something with force. I had to use a shovel to bust the large clumps of ice that had formed around the wheels of my truck.
5. verb, slang To punch, strike, or thrash someone or something.
「いいや、ジェリー、いやいや!」と使者は、馬に乗っている間も一つの事ばかり考え返しながら、言った。「そいつあお
<よみが――!>は<よみがえり!>、<よみがえった!>
新潮文庫も動詞 bust は訳されていない。
さて