Sunday, July 16, 2023

二都物語の日本語訳 (精読)- 5 中休み 修辞法(レトリック)

二都物語の解説を読むと修辞法の説明がある。ネットで調べてみると修辞法(レトリック)には


比喩表現 明喩、隠喩 (暗喩)

強調表現

倒置表現

誇張表現

と書いてある。二都物語でも修辞が使われている。難解な箇所は隠喩法や誇張が使われて入るところが多い。これは文化、歴史の違い、知識不足によるようだ。


・比喩

直喩法

隠喩法

換喩法

提喩法

直喩法:シミリー(simile)

「まるで〜ようだ」「〜みたい」「ごとし」「似たり

隠喩法: メタファー(metaphor)

換喩法:メトニミー(metonymiy)

永田町の論理だ。(永田町→政界)
ホワイトハウスの意向です。(ホワイトハウス→アメリカ政府)
筆を折る。(→文筆活動をやめる)
ハンドルを握る。(→運転をする)


提喩法(ていゆほう):シネクドキ(synecdoche)

人はパンのみに生くるものにあらず


・誇張法(こちょうほう)

・列叙法(れつじょほう)

・対句(ついく)

逆の意味を並べることと勘違いされがちですが、そうではなく、同じ組み立てで対応する語句を並べます。

空は青く、雲は白い
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
日が沈み、月が登る

・擬人法(ぎじんほう)

【例文:擬人法(ぎじんほう)】
アレクサに聞く
空が見守ってくれる
冬の足音がする
風が頬を撫でる

・擬態法(ぎたいほう)

擬態法(ぎたいほう)は、物事の様子を擬態語(ぎたいご)や擬音語(ぎおんご)を使って表現する方法です。


・緩叙法(かんじょほう)

緩叙法(かんじょほう)とは、事柄を直接表現せず、遠回しに表現する方法です。


【例文:緩叙法(かんじょほう)】

そう思わぬではない(まあ、そう思う)
彼女の姿が目に焼きついて離れない(ずっと彼女を想っている)
おせっかいな奴だ(感謝している)
あなた、運がいいわね(予定が合う)


・倒置法(とうちほう
 
誇張表現

Saturday, July 8, 2023

二都物語の日本語訳 (精読)- 4

前回に続いて第二部第十六章<まだ編み物>を検討する。第1回の<二都物語の日本語訳 (精読)- 1>で次のように書いた。


さて二都物語にもどると第二部第十六章<まだ編み物>に次のようなくだりがある。

新潮文庫

ドルファンジュ夫人がときどき編み物をしながら)

 敵の首でもしめるように、目を光らせてハンカチの結び目をこしらえた。

この箇所、突然ハンカチが出てくる。< 敵の首でもしめるように>とシリアスなので<ハンカチの結び目をこしらえる>がなにか特別の意味があるのかと思い、原文にあったてみた。
 
She tied a knot with flashing eyes, as if it throttled a foe. 
 
でハンカチはでてこない。この場面では前にも後にもハンカチは出てこない。<ハンカチの結び目をこしらえる>に特別の意味がないとすれば、結び目は手元にある編み物でこしらえるのが自然だ。

 ”

<まだ編み物>をよく読むとハンカチの結び目をこしらえる>に特別の意味があるのだ。さらに<結び目をこしらえる>場面はいくつかある。

ふたりは(夜なので)閉まっている酒店に入った。ドファルジュ夫人はすぐにいつもの勘定台につくと、留守のあいだにたまった小銭を数え、酒の残り具合を確かめ、帳簿を確認して、みずからもいくつか書きこみ、給仕の男を可能なかぎり問いただして、ようやく寝てもいいとさがらせた。そして、小銭の皿をもう一度ひっくり返し、夜の間に盗まれないように硬貨を布にくるんでは結び、鎖状に連ねていった。

"

 原文

They turned into the wine-shop, which was closed (for it was midnight), and where Madame Defarge immediately took her post at her desk, counted the small moneys that had been taken during her absence, examined the stock, went through the entries in the book, made other entries of her own, checked the serving man in every possible way, and finally dismissed him to bed. Then she turned out the contents of the bowl of money for the second time, and began knotting them up in her handkerchief, in a chain of separate knots, for safe keeping through the night

硬貨を布にくるんで>の<布>が原文ではハンカチなのだが、原文に忠実であれば

硬貨をハンカチにくるんでは結び目をつくり、鎖状に連ねていった

となる。ここでは ハンカチで結び目(複数)をつくるのだが、結び目にの中に小銭(複数だろう)が入っているのだ。

これからしばらくして上の

敵の首でもしめるように、目を光らせてハンカチの結び目をこしらえた。

She tied a knot with flashing eyes, as if it throttled a foe.

が出て来る。さらにしばらくして

”ふん、だから何なの?” 夫人はまたひとり敵を絞め殺すかのように布を結びながら訊ねた。

 “Eh well! How then?” demanded madame, tying another knot, as if there were another enemy strangled. 

で原文ではハンカチも布も出てこない。

さらにしばらくして

夫人は助言の締めくくりに、小さなな勘定台を叩き壊すほどの勢いで子銭の鎖を打ちつけた。そして重い布を静かにまとめてわきに抱え、そろそろ寝る時間だと言った。

Madame enforced the conclusion of this piece of advice by striking her little counter with her chain of money as if she knocked its brains out, and then gathering the heavy handkerchief under her arm in a serene manner, and observing that it was time to go to bed.

as if she knocked its brains  が<小さなな勘定台を叩き壊すほど>と訳されているが、<its brains >の its は勘定台ではなく、ハンカチ包まれている小銭が鎖のことだろう。

gathering the heavy handkerchief under her arm は重い布を (静かに) まとめてわきに抱え

と訳されているが、<gather = まとめる>はややおかしい。 ハンカチは単数だ。だがハンカチの中身は小銭でかなりの複数だ。ハンカチですでにまとめられているのだ。かなりの複数の小銭>が意識されているのか。

observing that it was time to go to bed. 

は <そろそろ寝る時間だと言った>とある。調べてみるると、to observe には<観察する、意識してよく見る>以外に<コメントする>の意味がある。

 

続く

sptt

 

 

二都物語の日本語訳 (精読)- 5 中休み 修辞法(レトリック)

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